1.「ひきこもり」に関する基本的考え方
厚生労働省によれば、「ひきこもり」とは,一つの病気の名称やその結果ではなく,様々な要因によって生じ、結果的に社会的な参加の場が狭まり,自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態のことをさします。しかし、その背景には,統合失調症やうつ病、発達障害、強迫性障害、社会恐怖などの疾患が存在する場合も少なくなく、最近では、ひきこもりには多彩な精神疾患が関与していることが指摘されるようになってきています。
「ひきこもる」ことには、ある意味で「自分を守っている」という側面もありますが、「ひきこもり」が長引くと、昼夜のリズムが乱れやすく、挫折感を味わったり、孤独感を強め、ますます社会活動に参加することが難しくなるという悪循環に陥ってしまいます。ひきこもっている人たちは、不安を克服し、自信を取り戻して社会とのつながりを回復したいと願っていても、自分の力だけでは困難な場合が多いため、「ひきこもり」の状態に対しては、速やかに支援を開始し、そして状況に見合った適切な支援を継続することが必要です。
2.支援の基本的考え方
ひきこもっている人を家から出すことが支援の最終ゴールではありません。私たちは、ひきこもっている本人が、どのような生き方を望み、そのために何が求められるかという視点から第一相談窓口として、個別の相談(来所・電話・メール)にきめ細かく対応していきたいと考えています。同時に道内のどの地域に住んでいても、支援が受けられるよう現在活用できる、さまざまな社会資源(教育機関、相談機関、医療機関など)や人材と連携し、支援ネットワークを作る必要があると考えており、今その準備をしているところです。