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ここリカ・プロダクション 多機能型事業所(B型・就労定着)

理事長ごあいさつ

障碍があるから見える情報がある

公益財団法人北海道精神保健推進協会理事長 阿部幸弘

私達はこのたび、障碍者の手による障碍者と市民のための「メディア事業所」を設立します!…と勢い込んで宣言しましたが、そもそも"メディア"って何でしょうか?よく"媒体"と訳したりもしますが、バイタイ…これまた分かりにくいですね。

私達が考えているメディアとは、人と人とが互いの思いをやり取りする道具のことです。だから、人が集まってワイワイガヤガヤやれる寄り合い場所や、井戸端会議の井戸端さえも、古くからのメディアということになります。(近所に住んでいないと使えませんが…。)

やがて文字が生まれ、石や皮やパピルスに刻まれ、グーテンベルクの印刷革命で大量伝達が可能となり、ついには音や動画までも電送したりディスクに刻める時代になりました。これらの道具はぜ~んぶメディアです。そして今や、地球の裏側に瞬時にメッセージを伝えたり、百年後の未来に映画を届けることも当たり前。そのような、時空を易々と越えられる環境に私達は生きています。

ここまでは、メディアの優れた、そして役に立つ側面のお話しです。

実はメディアには、困った側面もあると思うのです。それは、使われ方の"偏り"です。

たとえば、何かと競争し合う我々人類は、従来の武力による戦争に加えて、お金(経済戦争)や情報による争いをエスカレートさせてきました。IT技術が登場した現在は、まさに情報の流れを牛耳ることがパワー(=権力)の源、そんな時代に行き着いたのです。

このような状況にあって、いつも基本的にマイノリティであらざるを得ない障碍者は、無視されるとまで言わないにしても、なにかと後回しにされる傾向にあるのは事実です。世の中の情報の流れには常に偏りがあるのですが、障碍者は情報弱者にされやすい立場の、代表的なひとつと言えるのではないでしょうか。

けれども、メディアとはそもそも単なる道具でした。だから原則、誰にも開かれて在るはず、と考えてみました。使いこなすには知識や練習が必要でしょう。しかし、障碍を持ってみて分かることや、その立場で生活していて見えてくる体験もあるはずです。考えてみるとこれらは、実は、貴重な情報なのです。

そして、"誰もが障碍者になりうる"という観点から考えた時、障碍者の持っている情報は、本当はすべての人に有益なものになりうるはずです。

ここリカ・プロダクションは、このような発想から計画されました。具体的に何をどう発信していくか、またその技術などは、これから徐々に組み立て身に付けて行きます。精神障碍中心の事業所としてスタートしますので、疲れやすい人でも一緒に働けるよう配慮したいと思います。だからじっくり、ゆっくり歩んで行ければと思っています。

よろしくご支援の程、お願いいたします。

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管理者ごあいさつ

リカバリーからリジリエンス志向への活動

ここリカ・プロダクションは、就労継続支援B型事業所として始まり、現在は就労移行支援事業所を併せ持つ、多機能型事業所として活動しています。

障碍者メディア事業所として活動する中で、「メディア」とは?「仕事」とは?という問いを常に意識しながら働いています。私たちの活動は、「動画撮影・編集」、「出張講義」を主な仕事にしていると少しずつ認知されつつあります。

しかし、この仕事内容は、まだまだ変化していくものです。少しずつ認知される一方で「ここプロの仕事は難しいことをしている」「私には無理でしょう」などの声も聞きます。私たちが、開所当初から大事にしていることは、「仕事を創り出す」ということです。最初から仕事があったわけではなく、ここプロにいるメンバー、スタッフが「協働」しながら、何ができるのかを求めた結果、その模索が仕事になっているのです。「自分に合った事業所は無いのでは?」ではなく「自分に合った事業所にするには?」に変換できることが可能な事業所です。

保健福祉業界だけではなく、様々な分野の人たちとつながり、広げていくことから可能性も広がっています。

ここプロの活動の基本には、リカバリーだけではなく、「リジリエンス」(パーソナリティを成長させるしなやかな力動)という考え方も視野に入れた活動から、自分自身の可能性を広げています。ぜひ、ここプロの活動に関心を寄せてください。

管理者・サービス管理責任者 橋本 達志
(認定精神保健福祉士)

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