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精神科デイケア

メンバーの声

大会を終えて

45歳 詠み人知らず

決勝終了のホイッスルが鳴った。
あんなに頑張ったのに負けた、、、

でも何故か「ホッとした気持ちとやり終えた充実感があった。悔しい気持ちも多少はあったが、、、」

第1章
心のリカバリーセンターとココリカ(心のリカバリーセンターのフットサル部の名称)との出会い

自分がリカバリーセンターに来てフットサルに出会ったのは、5ヶ月前の真冬だった。リカバリーセンターに決めたのは体育館があったので汗を流せば体調も良くなればとの軽い気持ちだった。見学の時にフットサルのゴールを見て「フットサルあるんだぁ~でも俺は45歳だしもう走れないから無理だよなぁ~....」と諦めていた。
小学4年から9年間サッカーに情熱を燃やした学生時代の面影はその時の自分にはなかった。
いや無いと思い込んでいたのかもしれない。

通所して2日目に眼鏡にジーパンにジャンバー姿で見学に行ったのを今でも覚えている。キャプテンに見学希望と申し出ると、人数少ないんで是非見に来て下さいとの事。真冬の吐く息も白くなる体育館で僕が目にしたものは、、、、

「なんじゃこりゃ?!葬式サッカーじゃん!全く声出てないしぃ~!マジ暗ぁ~!」皆んなには大変失礼だが無言のフットサル!ただただ黙々とゲーム!「これが障害者のフットサルなの!?」と愕然とした。案の定じっとしておれず次の瞬間にはもう体は動いていた(笑)。

「あのぉ~ジーパンですが、ちょこっとだけ出てもいいですか?すぐバテると思いますが、、、」
OKとの事!

何十年ぶりのサッカーいやフットサル!Kickoffから2,3人かわしてシュート!&ゴォール!気がつくとゴール量産!味方にはデカイ声で指示出し(笑)もうそこには、学生だった頃のサッカー小僧に戻っている自分がいた。いつの間にか無言の体育館にも活気が出て来たように思えた。何より嬉しかったのは、「まだ俺は走れる!やっぱサッカーって楽しい!」

フットサル以外でこんなに汗をかいたのは何十年ぶりだろか?多分、サウナ以外ではなかったと思う(笑)。次の日は、お約束の筋肉痛痛!しかし痛い身体を引きずってフットサルシューズとジャージを買いに行く自分がいた(笑)。そう昨日までの何も目標も希望もない引きこもっていた自分ではなくなったのだから、、、

第2章 優勝を目指して

次の日キャプテンから前回の大会は準優勝で今年は優勝を目指している事を聞かされた。正直「あれじゃ無理じゃん」との言葉を飲み込んで笑顔で相槌を打っていた。(-_-;)
他のココリカのチームメイトからも「どうやったら、あんな技が出来るんですか?」とかフットサルのテクニック的な事を聞かれてかなり気分のイイ自分がいた。ちょっと天狗の自分がいたのも確かだった。正直に暴露してますよっハイ!(笑)

ただ何度も熱く語って来るキャプテンや仲間の情熱にいつの間にか自分もまだ見ぬ昨年の覇者「アユターレ」に勝ちたいとマジモードになっていった。その頃から自己満足の一人芝居のプレーは封印してココリカ全体のチームの底上げの為に自分に何が出来るのかを考えるようになったと思う。チームの底上げには自分の技術を皆んなに教えて行く事。後は外部との練習試合が不可欠だと思った。

しかし、ここには大きな問題があった。

外部の精神障害者の交流戦が1年前から存在していたのだが交流戦の日とリカバリーセンターのクラブ活動の日がぶつかってしまい引率スタッフがいない!折角の与えらたチャンスが活かせない(≧∇≦)/
頭をフル回転させて戦略を練った。

「そうだ!フットサルクラブを立ち上げよう!」

自分がここに来るきっかけを作ってくれてリスペクトしてる阿部所長の出席する全体会議で提案しよう!全体会議では思いの丈を熱意を持ってぶつけてみた!結果はフットサルクラブ設立!所長始めスタッフの方々に本当に感謝した。何よりココリカの全員が希望と喜んだ目の輝きが一番嬉しかった。そして、この外部の交流戦が思いもよらない人と人との繋がりへと発展する事になるとは知らず、、、

初めての交流戦では全員飢えた狼のように相手チームに襲いかかった。まるで今までの鬱憤を晴らすかのように!正直、拍子抜けする位相手は弱かった。ココリカが強すぎるのか?この頃はまだ「敵チームなんて完膚なき迄に叩き潰せ!」的な敵意丸出しだったと記憶している。後になって友達として仲良くなっていくとは露知らず、、、

そして、この交流戦で又リスペクトする先生と出会う。精神科医の井上先生だった。この先生はルックスもナイスミドルだが、考えてる事はルックス以上だった。「フットサルを通じて精神障害者の自発性や社会性や自信を回復させる」を信条とする先生だった。

全道各地に公演にしながら精神障害者のフットサルチーム作りに粉骨砕身してるフットサルの伝道師であった。この方のお陰で交流戦や1年に1回の大会に僕らは参加出来るのだ。初対面にも関わらず、ルールの事とかフットサルの諸事情を矢継ぎ早に質問したので、先生は困惑した顔で「あのぅ~どこかのスタッフの方ですか?」の返答には吹き出した!(笑)多分、健常者のような血色の良い顔色をしていたからなのかは定かではないが、、、そしてこれをきっかけに交流戦以外にも外部でのフットサルの練習会がある事を知る。

「バリアフリー」

これは精神障がい者と健常者が垣根を越えてフットサルを通じて交流を深め楽しむカテゴリーだった。ゴールデンウィークにココリカで参加したが3人共、口を揃えて「凄い為になった!楽しかった!皆にも知らせてあげよう」と口を揃えた。そして、とうとう井上先生やってくれました!新しいカテゴリーの「北海道選抜」

全道から上手い選手を募りプロのコーチに指導を受けて大阪での全国大会に出場し優勝を目指す!バリバリの競技志向ですね! これも参加しましたがコーチのクリニックは本当勉強になります!話は逸れましたがフットサルってエンジョイ系と競技系があるんだなぁ~って思いました。そして札幌は精神障がい者にとって正に「フットサル天国」です。それはフットサル伝道師の井上先生のお陰だと痛感しました。

第3章 選手兼監督になって

そんなこんだでセンターでの練習や交流戦、バリアフリーに北海道選抜でフットサル漬けの日々、、大会迄1ヶ月半になってきました。ココリカのメンバーも外部の刺激を受け確実にレベルアップしていくのが目に見えてきた。しかし、何かチームとしての「意思統一」と役割分担がイマイチなのが気になった(-_-;)、、、

キャプテンもその事を感じていたらしく深く話し合った。

自分:「キャプテンってチームまとめるの大変でしょ?ウチ個性派揃いだからサ!笑」
キャプテン:「わかります?本当大変ですよぉ~」懇願した目、、
自分:「じゃあ俺が監督でもやってやるかい?アハハ冗談冗談!」
キャプテン:「本当ですか!是非お願いします!」
自分:「エっマジで?でも俺まだ新参者だしメンバーの事、把握できてないからなぁ~」オイオイマジかよ!心の呟き
キャプテン:「その事は僕がフォローしますから、良かったら、、」
そういえばキャプテン「何も考えないでフットサル楽しみたいなぁ~」って言ってたなぁ~普通そうに見えたけど結構重かったんだなぁ~
自分:「わかった!ただし皆んなの意見を聞いた上でね!後、フォロー頼むよ!」

その日の練習の時に全員と話し合って全員一致で監督に就任する事にあいなりました。
確か皆んなと約束した事は

  1. 自分がチームに貢献出来る事は何でも自ら進んでやる!
  2. スタメンとヘルプで(控えと言う言葉は不適当なので)全員で戦う!
  3. 皆んなの意見は聞くが最終決定には監督に従って貰う!
  4. 監督の自分に足りない所は出来る人がサポートする事!

個性豊かなココリカのメンバーは素晴らしい人材のであった。

  • 2時間もかけて1人でゴールネットを補修する人
  • 若手が落ち込んでいると親身に相談相手になってくれる中堅
  • ベテランの分かりやすい親身な個人指導
  • チームの戦術の為にビデオ撮影してくれる人
  • いるだけで廻りを和やかにしてくれる人
  • 豊富な運動量で走り回り敵のスタミナを奪ってくれる人
  • 頭脳を活かして参謀を引き受けてくれる人
  • 大きな声で全体の士気を高めてくれる人
  • 細やかな神経で監督が気づかない人をケアしてくれる人
  • ここ1番では必ず点を決めてくれる頼りになる漢(おとこ)
  • 野球経験を活かし足でなく肩でチームに貢献してくれる人
  • 無理言って仕事の休暇とって試合かけつけてくれた人
  • 練習人数が足りない時に嫌な顔一つしないで参加してくれる人

「今、自分に出来るBestを尽くす!結果は神に委ねる!」をキャッチコピ-にチームは急速に結束し始めました。

監督就任して1番苦労したのは精神障がい者なのでなかなか全員が揃わず「意思統一」が取りずらい事でした。そこは全員にメールで配信して情報、決定事項、励ましや褒めたりして全体のモチベーションと意思統一を図るように努めました。僕のメールをメルマガと言う若手もいますが、その通りかもですね!実際にシュート打つよりメールの打つ方が多くなりましたからネ(笑)

又、外部との交流戦を通じて色々な人と仲間になり、自然とフットサルを通じて友達が増えて来ました。最初は敵チームに敵意剥き出しだったのがいつの間にか笑顔で話し合ってる一体感!サッカーは世界の共通言語と言われますが本当に実感させられました。勝つ事だけを喜びにしていた自分がいつの間にか色々な人と繋がっていくのが楽しくて今までにない不思議な感覚でした。フットサル&サッカーは凄いスポーツだと痛感させられました。

1例を挙げるとココリカの大会後の打ち上げあったんですが、多少人数の集まりが少なかったので直前にエス札幌所属の○○君に電話して

「うちこれから飲み会なんだけどサ!来てよ!同じ札幌のチームじゃん!」
「エっいいんですか?でもココリカの飲み会ですよね?」
「いいのいいの!1人でも多い方が楽しいからサ!」
「じゃ行きます!」

その後、彼は2次会迄楽しく付き合ってくれました。又、外部交流戦はココリカの多少消極的な若手にも効果が出てきました!

「監督、僕、昨日3点シュート決めてきました!」
「エっ!お前が!?凄いナ!楽しかったか?」
「ハイ!また是非参加したいです!」

その時の彼のはにかみながらも嬉しそうな表情!本当に自分の事のように嬉しかったですネ!又、人見知りが強い若手が

「友達できて楽しかったです又行ってきます!」
「そうか、そうか、又行って友達できるといいな!」
「ハイ」

言葉数は少ないが、しっかりとした意思を感じた。外部で認められたり、友達が出来る事で積極性や自信が出てきたのだと思った。

監督業って苦労もあるけど若手の嬉しそうな表情や成長をみると自分も凄い嬉しい気持ちになります。知らないうちに皆んなの成長を見るのが自分の満足感になってきたようでした。最初は自分が与えてるって思ってましたが本当は皆んなからもパワーを貰ってるんですネ!う~ん心の世界は奥が深い、、、

以上の事は最初に外部交流に門戸を開いて頂いた阿部所長とスタッフの方々とそして門の外に立派な受け皿を用意してくれた井上先生のお陰だと思っております。本当に心から感謝しております m(__)m

第4章  見えない敵!大会前のプレッシャー

大会2週間前の体育館。もうそこには僕が最初に目にした「葬式フットサル」は跡形もなかった。「もっと開け!」「プレス!プレス!」「取られたらすぐ守れ!」「ナイスシュート!」等々、、、体育館中に響き渡る大きな指示声!汗まみれで全速力でボールを追い回す10人!ハーフタイムに水分補給しながらの反省と修正確認!珍プレーによる全員の大大爆笑の渦!そこに存在したのは全くの別のチームだった。真剣の中にも笑いがあり、笑いの中にも常に真剣さがあった。

本当に精神障がい者なのかと疑いたくなるような気迫とチームワークを持ったチームに変貌していた。このチームはイケる!本当イイチームに仕上がって来たと心から嬉しかった!しかし大会10日前位から若手に変化が見え始めた、、、

「監督、最近なんか眠れなくなっちゃって、、緊張してきてます。」顔もなんかこわばった表情、、、ベテラン組は絶対に勝つぞ!絶対にイケるゼ!のイケイケムード!このベテランと若手のギャップの差、、、「皆んな緊張するんだから気楽に行こう」なんてありきたりな言葉なんて効果がないのは目に見えていた。監督の最後の仕上げの仕事だなと思った。疲れた頭を振り絞って全員にメールした。なんとかプレッシャーよ軽くなれと願いながら、、以下は全員に宛てたメールの抜粋です。

ココリカ通信 大会前のプレッシャーをなくそう!

S君加入に依ってプレーは過熱?過激になってきましたねー(笑)プレースピードが1.5倍にスピードUPした感じがします!凄く良い事なのですが、、(^^;;
ベテラン&経験者の意気込みに圧倒されて自分にプレッシャーがかかり自信を失くしている若手がいるように思えました。(^^;;

「自分が失敗したら迷惑かけるんじゃないかなぁー」みたいな的な(笑)思い当たる人いたら読み進めて下さいね!ハッキリ言います!Sちゃん加入のココリカは恐ろしい位強いです!いや 怖いです!(笑)反則障がい者チームです!自分はこんなチームとは絶対に対戦したくないです!みんな良かったですねーココリカで!だってこんなチームが味方チームなんですからね!1人、2人が交代したってミスしたって必ず取り返してくれるチームですよ!Sちゃん加入前でも十分強いチームです!それは交流戦で負け無しが証明してますね! そんなチームでも全試合、戦うのはスタミナ不足ですそこでヘルプです!ヘルプと言ってもうちのヘルプは他のチームのスタメン以上です俺が言ってるんだから間違いないです。(笑)

O君の質の高い運動量、とスピードと足技!本人はこの前の練習で自信失くしてましたがあのチームでは守るのが精一杯!O君のいないゲームはボロ負け!間違いなく運動量です!

M君の反射神経の良さと、実は彼のスローイングから凄い得点に結びついてるの知ってましたか?投げるだけでアシスト(^^) 隠れた攻撃キーパーなんですよねぇー!

S君のダイレクトシュート&パス!指示者&メッシユニホーム付き(笑)

Uさんは第3のキーパー&チームを明るく元気にしてくれるムードメーカーです!大会に出れないのが残念ですが12番目の強力サポーターです!

「怖いスタメン+強いヘルプ」1人で背負い込むのやめましょう!全員、心強い味方がいるんです! そして心強い交代選手がいるんです!だから1人で抱えこまなぁ~い!迷うよりミスしたって別にイイじゃん!取り返せばサ!位の気持ちで!気軽にチームメイトや自分に相談して下さい!ベテランや経験者やノンプレッシャーの人はどうか若手の話しを聞いてあげて下さいお願いしますM(_ _)M

そういう自分も前日は、あまり寝れないタイプなんでミスったらどうか責めないで下さいましM(_ _)M
緊張しない人なんていないんじゃないかなぁー

最後に「優勝目指してBestは尽くす! 結果は神に委ねる!」そして結果はどうあれ飲み会で美味いビールを飲んで盛り上がる美味いビール飲む為に暑ぅ~い体育館で良い汗流しましょう!

こんな感じで全員に配信しました。若手は人生経験が少ないのと責任感が強いので、もし自分のミスで負けたらと1人で背負い込み過ぎでした。だけど、このプレッシャーを経験して一回り成長してくれればなぁ~と期待もしてました。そして最後に若手は素晴らしいパフォーマンスを発揮して僕を感動させてくれるんですけどネ!
それは5章でネ!

次の日「監督メール見ました。なんか気が軽くなりました。ありがとうございます」明らかにこわばった表情が消えたのでホっと胸を撫で下ろす自分でした。本当は膝痛で1番不安と焦っていたのは自分だったのかもしれません。廻りの影響力を考えると口が裂けても言えませんでしたネ。監督兼選手って辛いゼ!(笑)

第5章 北海道チャンピオンズカップ大会当日 6/30日

そしてとうとう大会当日がやって来た。
大会の詳細は http://scambio.exblog.jp/16252963/

 

前日には入念にミーティーングを重ね初戦に絶対先制点を取られない作戦で望みました。いつもココリカは初戦に先制点を入れられる悪い癖があるんですね。要は全体ミーティングと全員upの意思統一ができてないだけなんです。決勝迄の時間と交代、昼休みの過ごし方も事細かく決めました。

とにかく初戦に勝てば波に乗れる!絶対に先取点!相手の点取り屋は力まかせにどこからでも打ってくるので絶対にシュートコースを開けない事!再確認して初戦のホイッスルは鳴った。

皆んな素早いプレスで相手には仕事はさせない良い展開!練習通りのコーナーキックから先制点!歓喜に喜び合うココリカチーム!頃合いを見て若手の投入。そうあのあがり症の彼だ。大丈夫だろうか?、、 心配とは裏腹に相手のミスから素早い動き出しからShoot!こぼれ玉を自分が押し込んでゴォール!! 体全体で喜びを表現する彼の姿に自分も熱くなるものが込み上げた。

「イイ動きだ!よくやった!よくやった!」

本当によく成長したな!心の底から嬉しかった彼のプレーだった。試合はその後2-0のまま堅実に進めて初戦は無事終わった。

第二試合目は初戦突破の勢いのままなんなく4-0第三試合目は予選の第2の山場と考えていた。最悪でも引き分け狙い。とにかく負けだけは許されない作戦だった。膠着状態が続いた。膝痛の為6割程度しかプレーが出来ない自分のせいで得点が入らず0-0 負けなかっただけでも良しとする形になった。みんなごめんね。

第四試合目は得失点を考えると1位通過の為に8点を早く入れて全員交代のプラン。が、しかし、、、なかなか8点までいかない、、ようやく8点になったのは残り2分前だった。結果的には8-0。少々手古摺ったがプラン通りだった。試合の合間に前回の覇者アユターレとコラージェンの試合を観戦した。

初めて見るアユターレの感想は「速い!」男性並に動く女性もいて6人体制!これは厄介な相手だなと思った。またコラージェンも凄く強くなっていた!コラージェンもガチで行かないとヤラれるなと思った。

結局1-0でアユターレがコラージェンに勝ち準決勝でコラージェン、決勝でアユターレと決まった!エっ!まだ決勝迄行くって決まってないって?いくらコラージェンが強くたって負ける気はしませんよ!まぁ見ててくださいって!不思議と負ける気は全くしなかった。

準決勝
この試合も初戦同様に先取点が最大の鍵だった。それが決まればこっちのペースで進めれる。ホイッスルが鳴った! なんと開始10秒でゴォール!エっどっちのゴールかって? それはココリカさんですよ!(笑)自分とキャプテンとのワンツーからキャプテンの目の覚めるようなゴォール!これで試合展開が楽になりましたね! 気を抜かずに集中して2点目を伺う流れ。

そしてまたまた若手がやってくれました!前述の若手キーパーのゴールスロー(イチロー並のレーザービーム)が自分に飛んで来て反転シュート!ゴーォル!前半で2-0キーパーの彼も緊張していた若手の一人でしたが試合を重ねるごとに伸び伸びとプレーしていました。後半は相手に隙を与えないでヘルプ組に助けて貰いスタミナ温存。2-0の快勝でした。自分の中では今日のBestゲームでしたネ!(*^^)v

そして1年間待ちに待った決勝

とうとうここ迄来た。1年間の集大成。どちらも無失点で決勝進出!先取点が大きな鍵!皆んな口にはしなかったけど疲労はピークに達していたと思う。円陣を組んで「絶対勝つぞ!イクゼ!オォー!」最後の気合を入れ直してコートに散った。

そして試合開始のホイッスルが高々と響いた。

アユターレの素早い動きと数的に1人多い中、集中を切らす事なく守る展開。やはり速い!でも必ずチャンスは訪れる事を信じて全員集中。しかし、アンラッキーな事故で今回初の失点、、、喜びに沸くアユターレ。嫌な空気が流れるココリカ。「今のはしょうがない、まだ時間はある!」と気持ちを切り替え反撃!

一進一退の攻防、、、そしてココリカの、あの漢が決勝の為に温存していたカウンターパンチのミドルシュートをアユターレのゴールに突き刺した!!!

「ゴォ~~ル!!!」

本当に鳥肌がたった。全員で抱き合いながら彼のゴールを祝福した!「ホントこの漢はここぞという時にやってくれる漢だゼ!」彼も直前迄怪我で万全ではなかった。大会中もずっとアイシングで足を冷やしながら決勝に備えていた漢だった。自分の中では今日の「ココリカベストゴール」だと思う。嫌な雰囲気は一掃された。一進一退のまま前半を1-1で折り返した。

勝敗はどっちに転んでもおかしくない展開。次の1点が勝敗を大きく左右する微妙な流れだったと思う。泣いても笑ってもラスト6分の後半が始まった。開始早々、自分の不要なファールから相手のフリーキック!まさか、あの位置から狙って来るとは思わず壁を作らなかったのが甘さだった。

アユターレのゴール!1-2またしても追う展開。一進一退の中あの運命的な出来事が起こった!アユターレのシュート!でもそれはゴールラインを割っていなかった。入った!いや入ってない!お互いの言い合いでプレーが止まってしまった。
ココリカのキーパーがボールを持ったままで、、、

主審の判定はアユターレのフリーキック!?「エっ!なんで??直接なの?間接なの?」一瞬、何が起きたか分からなかった。これが集中力を切らし一瞬の隙を作ってしまった。壁は作ったもののアユターレの狙い澄ました間接フリーキックでやられてしまった。1-3、、、

正式ルールに則った試合をした経験が無いココリカの経験不足と敵の巧みな間接フリーキックに失点してしまった。勢いに乗るアユターレの攻撃に諦める者は誰1人としていなかった。この後のココリカのプレーは僕に感動を与えてくれた!1人少ない人数の穴を若手キーパーが何度も何度も防いでくれた!スーパーセーブの連発!これが、この前まで不安そうだった同一人物であろうか?もう1人の若手もアユターレのスピードと互角に渡り合っていた!そこには不安の欠片もない闘士溢れるプレー。この大会の試合を通じて知らないうちに彼らはは精神的に1回りも2回りも成長してる!それを目の当たりにして自分は心底嬉しかった!

そして終了のホイッスル、、 1-3の敗北、、、

負けはやはり本当に悔しい。言い訳もたらればもある。でもそれを言ってしまえば、そこで止まってしまう。色々な敗因もある。でも今にして思えば一番の敗因は「経験不足」と「取り組む姿勢」の差だったのではないかと思う。

試合後、自分が思いに耽っていると、若手が真剣な眼差しで話かけてきた。

「監督、来年優勝するには僕には何が足りないですか?」

今日1日でこんなに逞しく成長した彼に熱くこみ上げるものを悟られないようにこう答えた。「そうだなぁ~終わったばっかりで今は何も言えないよ。これからゆっくり2人で考えていかないかい?」
「わかりました」と彼。

とても心に響く言葉だった。彼の一言が短期間、自分がやってきた事の全てだったと思う。敗れたのに充実感の方が強かったのはこの一言のお陰だと思う。

最終章  まだ見ぬ君へ 最初の「一歩」は「百歩」に匹敵する!

「ココリカ」僕はこのチームが好きです。ここの仲間が好きです。「アユターレ」には敗れてマジ悔しいけど感謝してます!本当です!何故なら「アユターレ」がいたからこそ本気になれたし真剣になれた。真剣になれたからこそ「ココリカ」の皆んなと深くに付き合えた。そして深く付き合えたからこそ短時間で「深い絆」が築けたと思ってます。

「ココリカ」には健常者の監督もフットサルコーチもいません。少し前迄は卓球台をゴールにしていました。笑(今は違いますよ!)でもフットサルが好きな個性的な仲間がいます。

大事なのは物品ではなく「人」です!

ココリカは「自分達で考え自分達で行動し克ち取っていく自立チーム」です!僕はこのチームを「誇り」に思ってます!僕は「ココリカ」は「誇リカ」だと思ってます!本当に!

今でこそフットサルを通じて元気な自分ですが5ヶ月前迄は希望も目標もなく孤立した疲れ果てた引き篭りでした。たまたまリカバリーセンター所長の公演を拝聴して「先ずは電話だけでいいから気軽にかけて下さい」と言う言葉が耳に残りました。毎日その言葉が頭の片隅にありながら、その電話という簡単な「一歩」が踏み出せずに4ヶ月間、悶々と過ごしました。

まさに「一歩」が「百歩」のように思えます。

その時は凄く「勇気」が必要だったと記憶しています。まぁ、自分の場合勇気というよりは勢いに任せて電話番号だけ押しちゃえ!後はどうにでもなれ!みたいな出たとこ勝負的な感じでしたが、、、

今はその「出たとこ勝負」が本当に良かったと心から思ってます。例えるなら重たい石を動かすのには最初に一番力が要りますよね?少しづつ動き始めると、どんどん勢いよく回り出すみたいな、、勇気を出して電話してリカバリーセンターに入ってそしてココリカに入って元気に勢いをつけてくれたらなぁ~って思ってます。

アっ!、リカバリーセンター勧誘の回し者ではないですからね!(笑)

「一緒に汗かいて、笑って、友達の輪を広げて元気になろうよ!」
ココリカの仲間達は、そんなまだ見ぬ君を待ってます!

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